2017京都の節分 千本ゑんま堂
千本ゑんま堂は正式には引接寺(いんじょうじ)と言い、高野山真言宗に属する寺院です。かつての京都の三大葬送地であった化野(あだしの)、鳥辺野(とりべの)、蓮台野(れんだいの)のひとつ蓮台野の入り口に立っていて、現世と冥土を行き来して閻魔大王とも交流したという伝承のある小野篁を開基とします。5月1日~4日と節分の2月3日の夜に行われる、京都三大念仏狂言の一つのゑんま堂狂言でも有名なお寺です。
京都では、ご先祖様の精霊の事を「おしょうらいさん」と呼びます。千本ゑんま堂はお精霊迎え・送りのお寺として名高く、お盆に鐘をついてお精霊さんを迎え、そして送り出します。
本堂に入ると賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)の像が置かれています。長野の善光寺などで知られている仏様で、病んでいる部位をなでると除病の功徳があると言われています。
ゑんま堂の名の通り、本尊は閻魔大王です。閻魔大王は、死者の送り先が天国か地獄かを判断する裁判長の役割を担っています。裁判長である閻魔大王の向かって右側には、検事役である司命尊(しめいそん)、左側には書記役である司録尊(しろくそん)がひかえています。司命尊は死者の生前を閻魔帳に記録する重要な役割を持ち、司録尊はゑんま様の裁判の様子をしっかりと記録する役目を担っています。約1週間の公正な裁判によって、死者は天国か地獄行きかが決められます。
千本ゑんま堂には、紫式部のあの世での不遇な姿を見て成佛させんがために建立したと伝えられる紫式部の供養塔と像や、花の中心からみどりの葉が二本伸びていて普賢象菩薩の乗る象のきばのように見える「ゑんま堂普賢象桜」なども庭にあります。
千本ゑんま堂の節分会では、「厄除けこんにゃく煮き(400円)」の授与、接待があります。こんにゃくは「来ん厄」という言葉通り、身体を温め体内を浄化する効果があります。また、裏表のないことから正直な生き方を表し、閻魔大王の大好物であることから、「中風除け」「諸病除け」として授与がおこなわれています。
閻魔大王のお寺ではありますが、処々に置かれている仏像のお顔は優しく少しコミカルです。加えて、可愛らしいお地蔵様のハンケチが授与されていて、その一語々々に中島の今後の行動を導くような言葉が書かれていてとても感銘を受けました。
今回の千本ゑんま堂の記事は、いかがだったでしょうか。次回は、釘抜地蔵の節分をお届けいたします。京都より中島の報告でした。
はーとべるツアー
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